外科-TEST surgery test
外科診療
外科診療は私たちが最も努力している分野の一つです。
できるだけ多くの命を助けたい、ペット達が元気に生活ができるようにしたいとの思いで、技術的な研鑽を積むと同時にC–Arm,先進的なエネルギーデバイス、手術用顕微鏡などの設備を取り入れています。
一般の手術以外に難易度が高い肝臓、副腎、前立腺の外科、TPLOをはじめとした整形外科、椎間板ヘルニアなどの神経外科、喉頭麻痺、短頭種気道症候群などの呼吸器外科、尿管閉塞などのマイクロサージェリー、気管虚脱などのステント治療など様々な病気の外科治療に対応しています。
また手術に伴う痛みの管理にも力を入れています。適切な痛みの管理は動物達の苦痛を取り除き、麻酔のリスクを低くし、術後の回復をより良いものにします。術中、術後のオピオイド、硬膜外麻酔、末梢神経ブロックを積極的に取り入れ、動物達の痛みをできる限り抑えた手術を行っています。
手術に関するご不安やご質問には丁寧に説明させていただきますので、お気軽にご相談ください。
治療紹介
前十字靭帯断裂
TPLOによる手術例
Before
After
前十字靭帯断裂は犬の後肢で診察する機会の最も多い整形外科疾患の1つです。小型犬から大型犬、そして成長期の犬から高齢の犬まで発症が認められます。
前十字靭帯は、膝関節の中に存在する靭帯の1つで、断裂すると膝関節の安定性が失われ、歩行障害、起立障害がみられます。
薬やサプリメントなどによる内科治療では、回復は難しく、急速に進行する骨関節炎などにより進行性に関節機能が悪化していきます。
そのため治療は外科治療となります。様々な手術法が報告されてきましたが、その中でも近年ではいくつかの研究からTPLOが他の術式と比較して機能回復が良いことが証明され、信頼できる治療法の一つになっています。
尿管閉塞
SUBシステムによる手術例
近年、猫の尿管結石の症例が大変多くなっています。1歳以下から時に15歳以上の高齢まであらゆる年齢で見られます。猫の尿管内径は0.4mm程度であり、1mmにも満たない小さな結石でも詰まることがあります。尿管が閉塞した状態がつづいた場合、猫の腎臓は回復困難な機能低下を起こします。
ただし、左右のうち片方だけの尿管が閉塞しても、軽度の血尿や、数日間の元気、食欲の低下を認める程度で見過ごされることも多いと思われます。この場合は後になって両側の尿管が閉塞した際に、急性腎障害を起こし、急激で重篤な症状を表すことになります。
猫の尿管結石は薬や食事管理では溶かすことはできず、点滴などを行っても多くの場合は改善しません。片側の尿管閉塞で症状が軽度の場合は数日の内科治療を行うこともありますが、そこで改善しない場合は、できる限り早く手術を実施する必要があります。両側性の閉塞では緊急性、命のリスク共に高いことが多いため、適切な処置ののち、手術を実施します。カーサ動物病院では猫の尿管閉塞に対して、①手術用顕微鏡を用いた尿管手術②SUBシステムを用いた腎臓・膀胱バイパス術を行っています。
気管虚脱
気管内ステントによる手術例
Before
After
気管虚脱や尿道狭窄などで実施される治療法で、気管虚脱に伴う呼吸困難、尿道腫瘍、前立腺腫瘍に伴う排尿障害が見られる場合に適応されます。
動物用ステントシステムや、術中透視装置などといった特殊な機器を使って行われます。
一般的な手術のように体の一部分を切開する必要がなく、短時間で実施可能な治療のため、動物の身体への負担が少なく済む治療法といえるでしょう。
整形外科
骨折
大腿骨骨折
Before
After
橈尺骨折(前足の骨折)
Before
After
高所からの落下や事故などが原因で起きる骨折は適切な治療を行うことで多くは良好な機能の回復が得られます。
若い小型犬に多い橈尺骨骨折、事故などによる脛骨骨折、大腿骨骨折、骨盤骨折が多くみられます。
関節疾患
レッグペルテス
Before
After
股関節脱臼
Before
After
肩関節固定術
成長期にみられるレッグ・ペルテス、小型犬に多い膝蓋骨脱臼(パテラ脱臼)をはじめ、股関節脱臼、肩関節脱臼などが多くみられます。
慢性化すると関節軟骨の摩耗や骨関節症などに進行し、関節機能が著しく低下する可能性があるため、痛み止めなどで様子をみないで、状況に合わせた治療を選択することが大切です。
当院では状況に合わせ、内科治療、手術による外科治療、関節鏡を利用した手術などを実施しています。